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2020/05/12 家づくり

どこまで共有?二世帯住宅の種類で変わる暮らし方

親世帯と子世帯がともに支えあいながら暮らせる二世帯住宅。子育て世代や将来の介護を考える人たちを中心にその在り方が見直されています。一言で二世帯住宅といっても、どの程度設備や空間を共有するかで両世帯のかかわり方や生活のスタイルが大きく変わってきます。一方で、独立性が高まるほどコストが高くなる傾向がありますので、それぞれのご家族にとってちょうどいい二世帯住宅を見つけましょう。

1:完全共有型

玄関、水回り(キッチン・トイレ・バス)、リビング、ダイニングも共有する間取りで、一戸建てに大家族で住むイメージです。生活時間や価値観に大きな違いがなく、にぎやかに暮らしたい人に向いています。

メリット
家事や子育てで協力しやすい。互いの健康や生活状況を把握しやすい。二世帯住宅のなかでは建築費が抑えられて経済的。また、家族構成の変化にも対応しやすい。

デメリット
プライバシーが確保しづらい。家事分担、経済的な分担、生活時間などのルールを決めないとトラブルになりがち。

:一部共有型

玄関や水回りなどの一部を共有する間取りで、最近では中庭や屋上を共有したりと、間取りのバリエーションが豊富です。一方、何をどこまで共有するかで両世帯の距離感が変わってくるため、慎重に検討する必要があります。生活時間やお互いの生活スタイルを尊重しつつ、程よく助け合いながら暮らしたいという人に向いています。

【メリット】

スペースを効率的に使いつつ、お互いの生活ペースの尊重と程よい助け合いを両立できる。一部設備の共有でコミュニケーションが取れる。また、完全分離型と比較して、一般的に建築費が安い。

【デメリット】

分離したいこと、共有したいことを明確にするのがポイント。そこが曖昧だとイメージした生活にならないことも。また、光熱費などを世帯別に把握しづらい。

:完全分離型

玄関、LDK、個室までそれぞれ独立した間取り。普段の暮らしではお互いに干渉せず、困ったときに助け合いたいという人に向いています。建物の上下か縦で分離するパターンが多い。

【メリット】

プライバシーの確保、異なる生活時間、お互いの生活ペースを尊重しつつ、困ったときは助け合える。また、光熱費など世帯ごとに把握できる。隣同士で暮らす安心感がある。半分を賃貸として使うことができる。

【デメリット】

完全共有型や一部共有型と比較して建築費は高めにな。プライバシーが確保できる反面、お互いの体調や生活状況が分かりづらいことも。

事例:一部共有型

延床面積:186.58m2(56.4坪)

敷地面積:216.72m2(65.5坪)

家族構成:母+夫婦+子ども2人

賃貸併用の二世帯住宅で、敷地の入り口にメゾネット形式の賃貸があり、奥がオーナースペースになっています。ビルトインガレージの奥にオーナー専用の玄関があり、同じ建物でも生活スペースを分けてお互いの生活音など気にならないようにしました。

オーナースペースは二世帯が互いのプライバシーを確保し程よい距離感が保てるよう玄関のみを共有した「一部共有型」ですが、子世帯のスペースには広々としたLDKや、賃貸スペースを活用したルーフテラスなど、家族団らんで過ごせるスペースを設けています。階段の上り下りによる負担を考慮して1階をお母さまのスペース、2階3階は子世帯夫婦と2人のお子様たちのスペースにしています。また、周囲を住宅に囲まれた旗竿地ですが、採光と通風を確保できるよう、建築家の工夫が詰まった住まいとなりました。

1階のお母さまのスペースはバリアフリー設計で、専用のキッチン、バス、トイレを完備。子世帯との生活リズムの違いを気にせずに過ごすことができます。洗面とトイレは一つにまとめることで空間を広々と使うことができます。また、天気の良い日は南側に面したテラスで過ごすこともできます。周囲を住宅に囲まれ暗くなりがちな一階でありながらも、採光と通風が確保できました。

玄関は二世帯で共有するため、広々としたスペースを確保。壁面には大型収納を設けて家族全員の靴や物が収納できるようにしました。突き当り正面の大きな窓に面した階段は、圧迫感や採光の妨げにならないアイアンのスケルトン階段を採用し、暗くなりがちな玄関を明るく照らします。玄関から入ってすぐ右側にあるお母さまの生活スペースは入り口の段差を無くしたバリアフリー仕様です。

階段を上ると2階3階は子世帯のスペース。窮屈な間取りになりがちな二世帯・賃貸併用住宅ですが、2階のLDKは大きな吹き抜けで開放的な空間に。高窓やテラスを利用した採光プランやゆったりとした空間を実現することで、日々の暮らしはもちろん、来客や二世帯での家族団らんでの和やかな時間が増えました。

3階の居室はLDKの吹き抜けにそれぞれ繋がっており、気持ちの良い風が通ります。個室ですが緩やかに家族の存在を感じられる開放的な空間に仕上げました。

賃貸スペースの屋上には広々としたルーフテラスを設けました。晴れた日はセカンドリビングとして過ごしたり、お子様たちの遊びの場になったり、お客様を招いてホームパーティーを開いたりと、新しいライフスタイルが広がります。家族みんなの要望を設計で実現するために、スペースをひとつの目的だけで使うのではなく、複数の用途として活用できるプランは建築家ならではの発想です。また、その難しいプランを施工できるのがOne’s Lifeホームの強みです。

まとめ

家族の数だけその在り方や考え方は様々です。前述のとおり、二世帯住宅で異なる世代の家族同士が快適に過ごすためには、家族の希望を出し合って整理し、丁度い距離感を見つけることです。OnesLifeホームでは、建築家とつくる型にはまらないお客様の暮らしに沿った家づくりを提案します。建築家とともにお客様にとっての「家族の丁度いい二世帯ライフ」を探しませんか?


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