傾斜地は魅力的

東京都は起伏が激しくて想像以上に傾斜地が多いのです。せっかく良い場所に住宅用地をみつけても、傾斜地に住宅を建築する建設会社は限られています。その理由は、RC建築の技術、土木工事の技術が必要だからです。大手ハウスメーカーは傾斜地を嫌います。それは、木造や軽量鉄骨など、決められた構造を得意としており、地下をRC、上階を木造など、混構造が難しいことや、擁壁(ようへき)や土木工事など手間のかかる工事は生産性が悪いからです。ワンズライフホームは、社内にRC専門部署があるため、それを得意としています。傾斜地には様々な形状があります。どんな傾斜地にどんな住宅建設が建築できるのか、その住宅プランは美しいか、徹底的に考えるべきです。傾斜地の理解を深めることで、新しい視点を得られるかもしれません。良質な住宅用地を見つけたものの、その地が傾斜しているため迷うこともあるでしょう。しかし、悩む必要はありません。憧れのビルトインガレージの設置も可能です。ガレージはコンクリート製、住宅部分は木造あるいは鉄筋コンクリート（RC）、選択肢は無限です。傾斜地での新築住宅について、さまざまな角度から検討し、詳細を説明しましょう。

傾斜地とは何か

傾斜地とは、地面が斜めに傾いている敷地のことを指します。道路が斜めになっているケースや、敷地の背後や側が崖になっている場合も含まれます。傾斜地には崖やなだらかな斜面など、さまざまな形状がありますが、これらは設計の際の特徴として活用できます。

傾斜地での住宅建設の3つの利点

【利点1】平地と比較して土地の価格が低い
一般に、傾斜地は平地に比べて土地の価格が低く設定されていることが多いです。土地を平らにするための費用や擁壁の設置が必要になる場合もありますが、住宅設計を工夫することで、総建設費用を抑えることが可能です。

【利点2】独特の景観を楽しむことができる
傾斜地の高低差を利用すれば、家からの眺めが素晴らしく、「花火が見やすい」といった特典を享受できます。傾斜地は自然や緑が豊富で、密集した平地とは異なる眺望の良さが魅力です。最大限に景観を活かした住宅を建てるなら、建築家に設計を依頼することも考慮に値します。

【利点3】地下空間を利用したユニークな家づくりが可能
傾斜地を活かして建設すれば、地下空間を有効利用でき、平地では実現せない独自の設計が可能になります。例えば、地下にビルトインガレージを設置することで、傾斜を活かしたユニークなデザインを実現できます。

建築時のリスク管理

傾斜地での住宅建設には、その土地特有の地盤の状態による建築リスクも考慮する必要があります。地盤調査を実施し、安全性を確認することが重要です。必要に応じて地盤改良を行うことが求められます。弱い地盤上に住宅を建てると、倒壊のリスクがあります。地盤調査の費用は方法によって異なりますが、概ね10万円からスタートし、具体的な調査方法については専門家の意見を聞くことを推奨します。

擁壁の安全性を確認することも重要です。擁壁は斜面の崩壊を防ぐ目的で建設される壁で、コンクリートブロックや石などで構築されますが、弊社はコンクリートで完璧な擁壁を建築します。擁壁がすでに設置されている場合は、基礎工事を開始する前に、亀裂や劣化の有無を確認し、安全性を十分に検討する必要があります。また、擁壁がない場合には、自ら擁壁を設ける必要が生じることもあります。擁壁の設置には、高さに応じて建築基準法の確認申請が必要になる場合もあり、造成工事の費用は擁壁の形状や材質、傾斜の度合いや面積によって大きく異なります。

「がけ条例」についての理解も、傾斜地での住宅建設には不可欠です。「がけ条例」とは、崖の近くでの建築を制限する自治体が定めた条例で、土砂災害などのリスクを減らすことを目的としています。条例の詳細は自治体によって異なるため、建築が可能かどうか、必要な工事内容については、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

設計上の留意点

傾斜地に住宅を建てる場合、駐車場の設計には2つのパターンが考えられます。敷地が道路より高い場合は「掘り込み車庫」が、低い場合は「架台車庫」が適しています。掘り込み車庫は、土地を掘って車庫を作る方法で、敷地と道路の高低差が2メートル以上ある場合に適しています。一方、架台車庫は敷地が道路より低い場合に、高低差を解消する骨組みを組んで作る駐車場です。この方法では、コンクリートを打ち、通常の駐車場と同様に使用できます。また、住宅の間取りを上下逆転させて玄関を2階に設ける設計にすることで、外部とのアクセスがスムーズになるでしょう。

傾斜地を購入する際には、「危険な区域」でないかを確認することが重要です。特に注意すべきは、「急傾斜地崩壊危険区域」「宅地造成工事規制区域」「地すべり防止区域」など、特定のリスクを持つ区域です。これらの区域では、建築に制限が加えられたり、特定の防災措置が必要になることがあります。購入前に自治体への確認は不可欠です。

まとめ

傾斜地での建築は、土地の価格の魅力と、高低差を活かした独特の眺望など、多くのメリットがあります。しかし、地盤調査や擁壁の安全性確認、条例に基づく制限など、リスクを適切に管理するための準備も必要です。私たち専門家と相談しながら、安全性を確保した上で、傾斜地を活かした住宅設計を進めることが、後悔のない家づくりにつながります。傾斜地を購入し、住宅を建築する際は、これらのポイントを総合的に検討し、計画的に進めることをお勧めします。