奥行きのある狭小地に建つ大開口の黒い家

奥行きのある狭小地に建つ大開口の黒い家

工法木造在来工法 2階建て 新築
土地62.8㎡(19坪)
建物100.89㎡(31坪)
家族構成大人2人 子供2人
都市部で多い間口が狭く奥に長い土地に建つ邸宅。建売によくある「普通の間取り」ではなく、施主の希望する開放的な居室と屋上庭園を実現した建物です。
2階の床面積自体は広くありませんが、3階に抜ける吹き抜け・リビングに面するテラス・ミニマムな作り付けの家具で、驚くほど広々した空間に仕上がりました。 限られた空間ですが無駄を無くし、使い勝手の良さとデザインを両立させています。(photo by Kai Nakamura)

開放的な吹き抜け

2階に上がると吹き抜けと大きな開口により、開放的な空間が広がります。家具はミニマムにして、すっきりと仕上げています。解放感のある空間と強い構造を両立するために、筋交いも見せているが、卓越した色や素材選びによりデザインの一部として成立している。2階は黒とオーク、3階は白と白木と階ごとに色を使い分けて、屋上庭園に向かうための軽やかな道筋を演出している。
吹き抜けに加え、キッチン奧などにグレーの壁紙を使って奥行感を出し、家具は作り付けでミニマムに仕上げ、建物の幅の狭さを感じさせない、視覚的な広がりがある。

美しい庇のあるバルコニー

2階リビングから出られるテラス。軒の下に木質パネルを貼って美しい仕上がり。手すりもミニマムな造作手すりで存在感が少ない。

ダイニングと区切られたキッチン

キッチンは敷地の形状をうまく使い、使い勝手の良いL字型。キッチンとダイニングとの間にカウンターを設けて、パントリーに冷蔵庫を置いているため、生活感が出にくい。

ダイニングの横には、構造を支える壁を利用して、ワークスペースを作って、ダイニングテーブルにものが置きっぱなしになることがない。

吹き抜けから繋がる書斎

3階に上がるリビング階段。幅が狭い建物なので、重さを感じさせない鉄骨でスリット状に仕上げています。1階・2階の落ち着いた色味と変えて、踏板や塗装も白くして、3階・屋上に続く空間の変化を印象づけています。3階の吹き抜け上部には、書斎を設けている。

階段とリビングの仕切りとテレビのスペースを兼ねた造作家具は、壁かけテレビの後ろは黒の塗装にしてテレビの存在感を消して空間をより洗練された印象にしている。

地窓のある個室

3階の個室。斜線制限に合わせて斜めになっている壁が面白い。地窓があることにより、部屋が外に続くような気分になる。

屋上庭園

屋上からは周囲を見渡せる。戸建てではなかなか手に入らない解放感がある。

すっきりとした玄関ホール

玄関ホールは3畳と広めに取り、空間に余裕を感じる。居室スペースとは引き戸で区切り、生活感を見せない空間に仕上げている。玄関のホールはオークの床。土間から上がるかまち部分も同フローリングを使用して余計なものがない。室内扉はすべてフルハイトドアを採用し、ドアの枠がなくすっきりとした納まりがきれい。こうした小さなこだわりが建物全体の美しさにつながる。

廊下を兼ねた収納

主寝室に向かう廊下をクローゼットにして、スペースの無駄をなくしている。効率的に収納量が取れる間取り。

余裕のあるユーティリティ

洗面台はボウルを2つ並べている。シックな色で統一。
床はコルク製のマットを使用。防水性も高く、足触りも良い。

洗面台には周囲の目が気にならない高窓を。トイレは窓をカウンターと同じ幅にしてつながりを演出している。窓の位置も丁寧に設計されている。

夜も美しい外観

外壁の黒と軒天の木の組み合わせが美しい外観。無駄のないデザイン。3階はガルバリウム鋼板を貼り、1階2階はモルタルに吹付けの壁仕上げとしている。黒い外観は施主のこだわり。


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