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2025/06/01

間接照明でくつろぎの空間をつくる~癒しとデザイン性を両立する光の演出術~

 

 

間接照明でくつろぎの空間をつくる:癒しとデザイン性を両立する光の演出術

■ はじめに

現代の住空間において、「くつろぎ」や「癒し」は住まいづくりの重要なテーマとなっています。忙しい毎日の中で、家に帰った瞬間から心が落ち着くような、そんな空間づくりを目指す方が増えている中、「間接照明」の活用が注目を集めています。直接照明では得られない、柔らかな光と陰影が織りなす空間は、感覚的な安心感やリラックスをもたらすだけでなく、デザイン性の高いインテリアとしても高く評価されています。

■ 間接照明とは?その基本と特徴

間接照明の定義と仕組み
間接照明とは、光源(照明器具)を直接目に入らないように設置し、壁や天井、床などに光を反射させて空間を照らす照明手法です。直接照明が部屋全体を明るく照らすのに対し、間接照明は「光そのもの」ではなく「光の当たった面」から放たれる柔らかな光で空間を包み込みます。光源が直接目に入らないため眩しさを感じにくく、穏やかで自然な明るさが得られる点が最大の特徴です。視覚的にも心理的にもリラックス効果があり、住宅だけでなくホテルやレストラン、スパなど、癒しや高級感が求められる場所でも多用されています。

間接照明と直接照明の違い

項目 間接照明 直接照明
明るさ 柔らかく拡散された光 集中的で明るい光
光の方向 天井・壁・床に反射 一方向に直進
目への刺激 少ない(眩しさを感じにくい) 強い(眩しく感じることも)
雰囲気 落ち着いた、温かみのある空間 実用的、はっきりとした空間
使用例 リビング、寝室、玄関、ホテルロビーなど キッチン、書斎、洗面所など

このように、間接照明は空間の雰囲気づくりに特化した照明であり、機能性を重視する直接照明とは明確に役割が異なります。両者をバランス良く組み合わせることで、快適性と美しさを両立した空間設計が可能になります。

■ 間接照明がもたらす心理的・視覚的効果

リラックス効果と癒しの演出
間接照明の持つ最大の魅力は、その「癒しの効果」です。間接照明が作り出す穏やかな明かりには、心理的に安心感をもたらす作用があります。これは、自然光に近いグラデーションのある光の広がりが、人間の生体リズムや感情にポジティブな影響を与えるためです。特に暖色系の間接照明は、副交感神経を優位にし、ストレスの軽減や安眠の促進にも寄与します。リビングでのくつろぎタイムや、寝室でのリラックス空間を演出する際には欠かせない存在です。

空間に奥行きと立体感を与える
間接照明は、照らし方次第で空間の「奥行き」や「広がり」を演出することができます。例えば天井に向けて光を当てる「コーブ照明」は、天井が高く見え、空間が広く感じられる効果があります。壁面を照らす「コーニス照明」は壁面を照らすことで凹凸や陰影が生まれ、インテリアに立体感が加わるため、部屋全体に高級感や洗練された印象を与えられます。このような視覚的効果を巧みに活用することで、実際の面積以上に開放感のある空間設計が可能になります。

■ 間接照明の種類と特徴

間接照明の種類
間接照明にはいくつかの代表的な種類があります。それぞれの特性を理解して空間に適したものを選ぶことが大切です。

  • コーブ照明(Cove Lighting):天井や梁の上部に照明を仕込み、天井面を照らす方法。空間全体を優しく照らし、開放感を演出します。
  • コーニス照明(Cornice Lighting):壁の上部から下方向に光を落とす照明。壁面を柔らかく照らし、立体感と重厚感を与えます。
  • バランス照明(Valance Lighting):窓枠の上や家具の上から、上下方向に光を放つスタイル。均一な拡散光が得られ、目に優しい明るさになります。
  • フロア・フットライト:床や足元を照らす間接照明。夜間の安全性を高めつつ、落ち着いた雰囲気を演出します。
  • ニッチ照明・棚下照明:飾り棚や壁面のくぼみに取り付けて、展示物や素材感を際立たせる照明。空間のアクセントに有効です。

 

 

■ 照明器具の選び方と配光設計のポイント

間接照明を活かすには、照明器具の選定と設置位置が非常に重要です。

LED照明の活用

LEDは発熱が少なく長寿命で、省エネ性能も高いため、間接照明に最適です。特に調光機能付きのLEDを採用すれば、時間帯や気分に応じて明るさを変えられ、より快適な空間を実現できます。

色温度の選び方

色温度は「光の色味」を表す尺度で、一般的には2700K~3000Kの暖色系が住宅の間接照明に適しています。温かみのある光は、木や石などの自然素材とも相性がよく、世田谷区の自然派住宅にぴったりです。

設置場所の考慮

  • リビング:壁面や天井梁に設置し、空間の広がりとくつろぎ感を演出。
  • 寝室:ベッドヘッドや天井周りに配し、心を落ち着かせる灯りに。
  • 玄関・廊下:足元を照らす照明で安全性と演出性を両立。
  • 洗面室・トイレ:ニッチや鏡裏の照明で高級ホテルのような仕上がりに。

■ 間接照明を取り入れる際の注意点

間接照明は美しく空間を彩る反面、いくつかの注意点もあります。

  • 配光のムラや光だまり:光が均一に広がらないと、不自然な影や明暗の差が生まれるため、設置位置と反射面の素材に配慮が必要です。
  • 器具のメンテナンス性:器具が隠れている分、メンテナンスや交換のしやすさも考慮しましょう。LEDは長寿命ですが、10〜15年後には交換の可能性があります。
  • 自然光とのバランス:日中は自然光が主役になるため、間接照明が不自然に目立たないように設計しましょう。明暗のバランスが鍵です。
  • 住宅の構造との整合性:間接照明は建築設計段階で計画するのが理想です。リノベーションで後付けする際も、下地や配線ルートの確認が不可欠です。

■ まとめ:癒しとデザインを両立する間接照明の魅力

間接照明は、空間の印象を大きく左右する「光の演出装置」です。くつろぎを与え、心を癒す優しい光は、住まいの価値を一段と高めてくれます。特に自然素材を用いた家づくりを得意とする私たちにとって、間接照明は木の風合いや漆喰の表情を引き立てる欠かせない存在です。

世田谷区という恵まれたロケーションで、自然素材と共に暮らすような住まいを求める方には、間接照明はまさに理想的な選択肢です。新築住宅はもちろん、リノベーションでも設計段階から光のあり方を検討することで、住まいの快適性とデザイン性を両立した「心地よい家」が完成します。

私たちは、建築家と共に、空間の隅々にまでこだわった間接照明設計を行っています。「ただ明るい」ではなく、「心が和らぐ」光を住まいに取り入れたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

■ 間接照明を取り入れた家づくりをご検討中の方へ

私たちは世田谷区を中心に、デザイン性と居住性を兼ね備えた注文住宅・リノベーションを手がけております。間接照明を活かした施工実績も豊富にございます。

「ホテルライクなリビングにしたい」「自然素材の美しさを引き立てたい」「癒しの空間を実現したい」――そんなご希望をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。


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